カビのメカニズムと種類
カビ(真菌)のメカニズム
カビ(真菌)は、本来土壌の中で他の微生物と共存し植物などに寄生しています。成長すると胞子を空気中に飛散させ、塵や水蒸気などに付着して空気中を移動し、あらゆる物に付着増殖します。この付着増殖した胞子は、カビ菌糸の摩擦により静電気を出して、さらに汚染物質を吸着させコロニー(集落)を拡大させていきます。
このカビ(真菌)の胞子を人間が吸い込むことにより、アレルギー性疾患の抗原体(アレルゲン)となって、気管支喘息やアトピー性皮膚炎・花粉症・鼻炎などを引き起こしたり、真菌症の原因となります。
ちなみに浴室タイルの目地が黒くなっているカビ(真菌)は、1㎠あたり40億個の胞子を持っていると言われています。
カビ(真菌)の生育条件
- 温度 =
- 0~50℃ 適温は20~28℃(70℃以上でも死滅しないものもある)
- 湿度 =
- 70%以上 pH= 4~6の弱酸性
- 酸素 =
- 好気性で酸素が欠乏すると休眠する
- 栄養 =
- 有機物では糖分などの炭水化物や脂肪類
無機質では、窒素化合物・硫黄・リン・その他金属及び微量育成因子
カビ(真菌)が一因となる病気
- 夏型過敏性肺炎
- アトピー
- カンジタ症
- アスペルギルス症
- クリプトコッカス症
- 癌
- 気管支喘息
- アレルギー性結膜炎
- アレルギー性鼻炎
- 食中毒 など
主なカビ(真菌)の種類と特徴
属名 | 特徴 | 病因 | 写真 |
---|---|---|---|
クラドスポリウム属 (黒カビ) |
一般環境に最も多く、家庭内でもいたるところに生息する。カビによる汚染や劣化の代表的な原因カビ。黒いカビは、ほぼこのカビです。 喘息・アレルギーの原因になる。 |
喘息 アレルギー 発がん性 |
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アルテルナリア属 (ススカビ) |
全世界にいる。特に湿度の高い場所を好む。プラスチックを腐らせる力が強く、また農作物を腐敗させたりする。このカビが生えるとススがかかった様に見え、空中に飛散しやすい。 | アレルギー 皮膚真菌症 副鼻腔炎 発がん性 |
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フザリウム属 (赤カビ) |
塗装面やビニールレザーの表面によく繁殖し、食品の二次汚染を引き起こすことがあるまた、塩ビ製品やポリウレタン製品を劣化させる。 人間にも害がありコンタクトレンズも汚染する。 |
角膜真菌症 日和見感染 |
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ペニシリウム属 (アオカビ) |
いろいろな場所に生息するカビで、特に建物の外壁によく生える。乾燥に強い。外壁の青や緑に見えるカビはこのカビ。 | 日和見感染 発がん性 |
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ムコール属 (ユミケカビ) |
湿度の高い比較的高温時に発育し、線状となり発育の早さはカビの中でも群を抜く。 タンス等の裏に、ほこり状となって生えていることが多い。 |
日和見感染 ムコール肺症 |
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リゾープス属 | ムコールにも似ているが、クモの巣のような外観をしている。 野菜・果物・パン・穀物類及びその加工品など、多くの食品の変質腐敗にかかわりをもち、特にサツマイモの軟腐病菌としても知られている。 |
日和見感染 | |
アスペルギルス属 (各種) |
コウジカビ菌であるアスペルギルス・オリーゼとよく似た種にアスペルギルス・フラバスがあり、農作物病原菌で発がん性物質アフラトキシンを産生する。この菌による死亡例は熱帯地方でよく発生している。 冷凍食品も汚染されることが報告されている。黒麹カビといわれるのは、アスペルギルス・ニガーであり焼酎の製造に欠かせない。 建物のいたるところに発生する。 |
アレルギー 肺炎 発がん性 |
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トリコスポロン属 | 風通しや日当たりが悪く古い家屋を好む。白や黄色っぽい色をしていて、室内の水廻り等の腐った木材を好んで繁殖する。 日和見感染で夏型過敏性肺炎の原因。症状は、発熱・せき・息切れなど最悪死に至るケースもある。 |
夏型過敏性肺炎 日和見感染 |